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フレックスタイム制度とは

フレックスタイム制とは、「一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度」を指します。 例えば、1カ月の所定労働時間が160時間と定められている場合、「今日は10時間勤務、明日は5時間勤務」といったバラつきがあっても、1カ月間の労働時間の合計が160時間になればよいのです。 フレックスタイム制は、労働者が日々の都合に合わせ、仕事とプライベートに時間を自由に配分できるようにし、ワーク・ライフ・バランスを取りやすくすることを目的としている制度です。

フレックスタイム制では、一般的に「清算期間」「コアタイム」「フレキシブルタイム」を設定し運用します。

また、コアタイムのない「スーパーフレックスタイム」もあります。それぞれの仕組みをご紹介します。


清算期間

清算期間とは、「フレックスタイム制において労働者が労働すべき時間を定める期間」のことです。法律では清算期間の上限は3カ月となっています。 フレックスタイム制ではまず、この「清算期間」と、清算期間が始まる日付である「起算日」を定めます。例えば「清算期間は1カ月間とし、毎月1日を起算日とする」などと明確にします。 その上で、清算期間内で従業員が働くべき総労働時間を決めます。その際、法定労働時間を超えた時間を設定することはできず、清算期間全体の労働時間は週平均40時間以内(特例措置対象事業場(※)では週44時間以内)、かつ1カ月ごとの労働時間は週平均50時間以内になるよう定めなければなりません。どちらのケースにおいても、超過した分は時間外労働として割増賃金を支払うことになります。


コアタイム

1日の中で必ず勤務しなければならない時間帯を設けている場合は、その時間帯を「コアタイム」と呼びます。例えば「10時~15時」「11時~14時」など、コアタイムの長さや時間帯の設定は企業によってさまざまです。 フレックスタイム制においては、従業員の始業時刻、終業時刻の指定はできないものの、このコアタイムは就業時間として指定することができます。コアタイムを設けないと、管理上、毎日出勤してくると思っていたのに、出勤しなくても、別日に労働時間を多く働いて調整することができてしまいますので、「毎日来てほしい」という場合、コアタイムの有り無しは、要検討事項です。


フレキシブルタイム

コアタイムの前後の数時間を「フレキシブルタイム」とし、この時間内で従業員は出勤・退勤の時間を自由に選択することができます。深夜帯22:00~朝5:00を働かせないようにする例が多いようです。


スーパーフレックス制

労働時間をすべて「フレキシブルタイム」とし、労働者の裁量に委ねる企業もあります。このようにコアタイムを設けないフレックスタイム制は、「スーパーフレックス制」と呼ばれています。

近年、日本では働き方改革や少子高齢化による社会構造の変化を背景に、柔軟で働きやすい制度として フレックスタイム制が注目されています。特に、テレワークの普及やワーク・ライフ・バランスを重視する価値観の広まりが追い風となり、企業は従業員のライフスタイルに合わせた勤務形態を提供するニーズに応えています。 厚生労働省による調査でも、フレックスタイム制の導入率は大企業・情報通信業・専門サービス業を中心に増加傾向にあり、2022年にはコロナ禍の影響で導入企業が一時増加しました。また、政府は働き方の柔軟性を法整備や支援策で後押しし、従業員が自律的に働ける環境づくりを促進しています。こうした流れを受け、多くの企業でフレックスタイム制の導入検討・実行が進んでおり、現代の働き方として高い関心を集めています。 

はじめの一歩:業種・職種に適合しているかを見極めよう!

フレックスタイム制度導入が向いている企業

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    時間や場所にしばられずに作業ができ、自身のペースで業務を進められるような職種でフレックスタイム制が導入されている例が多いです。

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    例)IT・通信・インターネット業界・コンサルタント業界など

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    オンラインで主な作業が完了できる事務職・企画業・デザイナー

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    フレックス制が工夫次第で可能な職種は、メリットが大きい。しかし、適合しない業種に対して行うと、事業活動に混乱が起きるので、しっかりとした見極めが重要。

フレックスタイム制度は、従業員が自分のライフスタイルに合わせて労働時間を調整できる柔軟な働き方を実現する制度です。この制度を導入することで、社員のモチベーション向上や業務効率化が期待されます。適正な運用により、労働法の遵守も促進されることになります。

労働法とフレックスタイム制度の関係

フレックスタイム制導入のポイント

法令遵守で社員の安心感を高める!

  • Point 01

    社内でのルールを定める

    フレックスタイム制を導入する際にはまずルールを定める必要があります。例えば、フレックスタイム制の対象となる従業員の範囲や、清算期間と清算期間における総労働時間、具体的なコアタイム・フレキシブルタイムなどを定めておきましょう。

  • Point 02

    就業規則を規定する

    ルールを定めたら、就業規則に「始業時刻・終業時刻を労働者の決定に委ねる」旨を記載します。コアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合は、具体的な時間帯も明記する必要があります。

  • Point 03

    労使協定を締結する

    労働組合または労働者代表と、以下について、労使協定を結びます。

    ・対象となる労働者の範囲

    ・清算期間清算期間における総労働時間

    ・標準となる1日の労働時間

    ・コアタイム・フレキシブルタイム(任意)

    ※1カ月を超える清算期間の場合は、締結した労使協定を労働基準監督署長に届け出る必要があります。

フレックスタイム制のメリットとデメリット

フレックスタイム制のメリット

フレックスタイム制を導入すると、まず 残業時間の削減 が可能となります。無駄な残業を削減できます 。次に、ワーク・ライフ・バランスの実現 です。育児や介護、通院、趣味など個々のライフスタイルに合わせて出退勤時間を調整でき、プライベートの充実が図れます 。 また、生産性の向上 も期待できます。集中できる時間帯に働き、効率よく業務をこなすスタイルが可能となり、自然と業務スピードが向上します。 さらに、優秀な人材の確保・定着 にもつながります。柔軟な働き方を提供できる企業としての魅力が高まり、特にワーク・ライフ・バランスを重視する人材の応募が期待できるほか、離職の抑制にも効果があります


フレックスタイム制のデメリット

フレックスタイム制では、従業員の出退勤時間が個人ごとに異なるため、 社内コミュニケーションの不足 が起こりやすくなります。直接の対話や雑談の機会が減り、意思疎通が滞ることで業務効率やチーム連携に影響が出る可能性があります 。 また、 顧客や取引先への応対体制が不安定 になりがちです。所定時間中に担当者が不在になることもあり、緊急対応が遅れることで信頼低下や機会損失を招く恐れがあります。 さらに、 従業員によっては時間管理がルーズになる リスクもあります。自己管理が苦手な場合、出退勤時間にメリハリがなくなり、生産性の低下や生活リズムの乱れにつながる恐れがあります 。 最後に、 勤怠管理が著しく煩雑化 する点も無視できません。個々の労働時間の把握・集計が難しく、給与計算や評価制度にも影響します。制度導入初期には管理運用上の負担増が想定され、対応策として変形労働制対応の勤怠管理システム導入を検討してみましょう。

フレックスタイム制導入の注意点

従業員へのルールの周知・徹底が必要

フレックスタイム制を導入する際には、従業員へ周知させる義務があります。従業員がフレックスタイム制の中身を理解し切れていないと、例えば「自由な時間に働ける」などと間違ったイメージのもと、各々が勝手な働き方をしてしまい、ワーク・ライフ・バランスの実現や生産性の向上などにつながらない可能性もあります。


始業時刻・終業時刻は指定できない

フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。したがって、会社側が従業員に対し、コアタイムを労使協定で定めた場合以外、始業時刻や終業時刻を指定することはできないため注意しましょう。


フレックスタイム制でも時間外労働残業代は発生する

フレックスタイム制で働く労働者についても、時間外労働を行う場合には、36協定の締結・届出が必要となります。 清算期間を通じて、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間が時間外労働としてカウントされます。

社会保険と雇用契約の整備
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労務管理の視点からのアプローチ
労務管理の視点からのアプローチ

フレックスタイム制度を円滑に運用するためには、しっかりとした労務管理が欠かせません。まず最初に重要なのは、働く時間を柔軟に設定できる一方で、最低限の勤務時間には注意が必要です。


各社員の勤務状況を正確に把握するためには、勤怠管理システムの導入が有効です。これにより、出勤・退勤時間や労働時間の記録を簡便に行い、自然な形での業務効率化を促進します。また、フレックスタイム制度では、各社員が自分のライフスタイルに合わせた働き方を選べるため、モチベーション向上にもつながりますが、それを支えるための適切なコミュニケーションが欠かせません。社員と何か問題が生じた場合には、すぐに話し合う機会を設け、気軽に相談できる環境を作ることが肝心です。このような連携が、社員のストレスを軽減し、さらに企業全体のパフォーマンス向上へとつながるのです。


次に、フレックスタイム制度が導入された場合における業務の進行状況を適切に把握し、期日や仕事の進捗を管理する仕組みを整える必要があります。特に、業務が繁忙期を迎える際は、各チームの進捗状況を随時報告し合う体制を作り、定期的にミーティングを開催することで、チーム間の協力体制を強化することが求められます。また、フレックスタイム制度を利用することで仕事の柔軟性が増す一方で、時間管理を怠ると、仕事の進行が遅れ、結果的に納期を守れないといったリスクも考えられます。


したがって、各社員が設定したフレックスタイムを遵守するためには、業務管理ガイドラインの策定と、その周知徹底を図ることが不可欠です。最終的に、フレックスタイム制度の成功には、経営陣からの意識の改革も必要です。フレックスタイム制度が導入された場合、その制度を「柔軟な働き方」として捉えるのではなく、業務の質を向上させるための戦略的な施策として位置付け、全社員の受け入れを促進することが重要です。フレックスタイム制度が企業文化の一部として根付くことで、企業全体が活性化し、長期的な成長が見込めることとなるでしょう。

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フレックスタイム制度の導入は、多くの企業にとって魅力的な選択肢ですが、同時に不安や疑問がつきまとうことも確かです。制度自体の理解や運用方法、そして法律面での遵守といった様々な要素が関わります。そのため、企業担当者様や経営者様には、この新しい働き方に不安を感じる方も少なくないでしょう。従業員のニーズに応じて柔軟な勤務時間を提供することは重要ですが、そのためには制度の運用が円滑に進むよう、事前に詳しい知識と準備が必要です。

そこで、当事務所ではフレックスタイム制度の導入に関しての無料相談を設けています。制度のメリットやデメリット、具体的な運用方法、労働法との関係について、専門家が丁寧にお答えいたします。導入後の運用における懸念点や不明点についても、一緒に考え、解決策を見つけるお手伝いをさせていただきます。正しい情報を元に、安心してフレックスタイム制度を取り入れ、社員のモチベーション向上につなげるための第一歩を踏み出しましょう。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修者

紫峰社会保険労務士事務所

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代表社会保険労務士 田中 寧子

プロフィール

【保有資格】

社会保険労務士

歯科衛生士

介護支援専門員(ケアマネ)


【経歴】

跡見学園女子大学文学部国文学科卒業

東京医科歯科大学歯学部付属歯科衛生士学校(現東京科学大学)卒業


【社労士実務経験】

① 助成金専門社労士事務所に就職。助成金だけでなく、新規開業サポートから運用、給与計算、労務監査まで、社労士業務全般を経験。

② 大手社労士法人にて、外資系企業を経験。

③ 自身の社労士事務所にて顧問契約等社労士業務、各種助成金、紹介・派遣許可申請を行い現在に至る。


【モットー】

関わった会社様の経営者様も従業員様もみんなが満足する労働環境を、みんなで一緒に築いていく。

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