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はじめに

こんにちは。東京 日本橋室町で開業している社会保険労務士の田中 寧子(たなかやすこ)です。

今回は、働いている従業員が、介護休業等を取得する会社の制度ではなく、実際、要介護になったご家族が受けるサービスの介護保険についてテーマにしていきます。私自身が、歯科衛生士の資格を取得をして高齢者歯科の道を志し、病院歯科や企業での高齢者歯科の啓蒙活動、訪問歯科経験を20年積み、ケアマネ取得しました。20年間で、要介護の患者様、介護するご家族、施設(特養、老健、グループホーム、有料老人ホーム、病院)、在宅等、様々な環境を数多く訪問し医療活動をしてまいりました。いずれくるご家族、自分の介護の備えとして、介護保険を少しでも知っておくと安心なので、やさしく解説していきます。

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介護保険法って、何?

介護保険法(平成9年公布)は、介護を必要とする高齢者を社会全体で支えるための制度の基本的な枠組みを定めた法律です。


制度の目的

・高齢化に伴い、家族だけで介護を担うのは困難になってきたため、国民全体で介護を支える仕組みをつくること。

高齢者ができる限り住み慣れた地域で自立した生活を続けられるようにすること。


運営主体

市町村や特別区が「保険者」となり、介護保険制度を運営しています。


加入者(被保険者)

40歳以上の全国民が加入

第1号被保険者:65歳以上

第2号被保険者:40歳~64歳(医療保険加入者)

 ⇒40歳になると、給与明細書に介護保険料が控除されます。

 ⇒65歳になると、保険料は、年金の年額18万円以上の場合、年金から天引き

  または、18万円未満の場合納付書や口座振替で保険料を納めます。


サービス利用の仕組み

・第1号被保険者のうち、要介護認定を受けて要介護1~5、要支援1,2の状態の場合、ケアマネ等にケアプランを立てて

 もらったうえで、サービス開始

・第2号被保険者は、加齢が原因とされる特定16疾病に該当した場合、介護保険のサービスを受けられます。

・認定を受けると、在宅サービス(訪問介護・デイサービスなど)や施設サービス(特養・老健など)を利用できます。


費用のしくみ

・保険料(40歳以上の国民が負担)と公費(国・都道府県・市町村の税金)でまかなわれます。

・利用者は原則1割(所得に応じて2~3割)の自己負担でサービスを受けられます。

社会保険手続きの基本

介護保険制度の3本柱

地域支援の全体像

  • Point 01

    介護給付(要介護1~5)

    介護給付とは、介護保険制度に基づき、要介護認定を受けた高齢者等が利用できるサービスの費用を給付する仕組みです。要介護5が最も重度です。訪問介護や通所介護、施設サービスなどが対象で、利用者は所得に応じて1~3割を自己負担し、残りを保険が負担します。地域で自立した生活を継続できるよう支援する制度です。

  • Point 02

    介護予防給付(要支援1,2)

    介護予防給付とは、介護保険制度において要支援1・2と認定された高齢者が対象となる給付で、介護状態の悪化を防ぎ、自立した生活を維持することを目的としています。訪問型・通所型サービスや福祉用具貸与などが提供され、利用者は1~3割を自己負担し、残りを介護保険が負担します。

  • Point 03

    地域支援事業

    地域支援事業とは、介護保険制度の一環として市町村が実施する事業で、高齢者の介護予防や生活支援、地域包括支援センターの運営などを通じ、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう支援する仕組みです。介護予防活動、認知症施策、生活支援サービス基盤整備などが含まれ、要介護になる前の段階から高齢者を支えることを目的としています。

介護保険制度を理解して、生活に合うサービスを選択しましょう。

介護サービスの種類

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    居宅介護(訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリ、デイサービス、ショートステイ))

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    訪問・通所・宿泊を組み合わせた介護(小規模多機能型居宅介護 ・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス))

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    施設介護(特養、老健、有料老人ホーム、グループホーム)

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    福祉用具の貸与(電動ベッド、車いす、スロープ、認知症老人徘徊感知機器、杖等)

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    住宅改修(手すり取付け、段差解消、すべり防止の床材変更等)

介護保険制度内で利用できる介護保険サービスは、対応できる範囲や介護度によって利用できる上限額が決まっています。また、介護保険を利用して受けられるサービスには、要介護度に応じた支給限度額が設定されています。この限度額を超える部分の費用は、全額自己負担です。支給限度額は、利用者の介護度が高くなるほど支給額も多く設定されています。

65歳以上の第一号被保険者が介護保険サービスを利用する際、原則、全体の9割が介護保険から支給され、残りの1割を利用者さんが負担します。ただし、一定の所得がある方は2割、または3割になる場合があります。40~64歳の第二号被保険者は所得に関わらず1割負担となります。介護施設を利用している方は、介護サービス費に加えて居住費や食費・日常生活費が別途必要です。

初回、介護サービスを受けるための流れ

いざ、ご家族の介護の必要が出たとき、どこへ申請して、どれくらいのスケジュールでサービスの利用を開始できるのでしょうか。


★介護サービス利用までの流れ(目安日数付き)

1. 市区町村へ申請(0日目)

本人または家族が市区町村の介護保険課などに「要介護認定」を申請します。

・申請書、介護保険被保険者証、主治医の意見書依頼などが必要です。


2. 認定調査(申請から約1週間以内)

・調査員が自宅や入院先を訪問し、心身の状況を聞き取り・観察します。

・同時に、市区町村が主治医に「意見書」を依頼します。


3. 一次判定(申請から2~3週間)

・認定調査結果と主治医意見書のデータをコンピュータに入力し、統計的に介護度の目安を出します。


4. 二次判定(申請から3~4週間)

・介護認定審査会(医師・看護師・ケアマネなど専門家で構成)が、一次判定と調査内容を基に総合的に判定します。


5. 介護度の決定(申請から30日以内)

・「非該当」「要支援1・2」「要介護1~5」のいずれかが通知されます。

・法律上、市町村は申請から原則30日以内に結果を出すこととされています。


6. ケアプラン(サービス計画書)の作成(決定後すぐ~1週間)

・要支援の場合 → 地域包括支援センターで作成。

・要介護の場合 → 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)で作成。

・家族と相談しながら、利用するサービス(訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタルなど)を決めます。


7. 介護サービスの利用開始(申請から約1か月~1か月半)

・ケアプランに沿って事業者と契約し、サービス開始となります。


まとめ(スケジュール感)

・申請から認定通知:約30日

・ケアプラン作成・契約:1週間前後

・利用開始:申請から1~1.5か月程度

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制度理解がもたらすメリット

2回目以降、更新認定

2回目からは、更新申請となり以下の期間と、手続き方法となります。

要介護認定の有効期間

1. 新規申請の場合

原則:6か月

・状態が安定していると判断されれば、最初から12か月有効となることもあります。


2. 更新申請の場合

原則:12か月

・状態の変化が少なく、長期的に安定していると認められる場合は、 最長36か月(3年)まで 有効期間が設定されることがあります。


補足

・有効期間が切れると介護サービスが利用できなくなるため、 満了日の60日前から更新申請が可能 です。

・体調の急変などで介護度に変化がある場合は、有効期間中でも「区分変更申請」ができます。


更新申請をサポートしてくれるところ(1~3のいずれか)

1.本人または家族が直接

市区町村の介護保険課(高齢福祉課など)に申請書を提出します。


2.居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)

要介護認定を受けている方で、ケアマネがついている場合は、ケアマネが代理で申請手続きを行ってくれます。


3.地域包括支援センター

要支援認定を受けている方は、包括支援センターが更新申請を代行してくれます。


ポイント

・申請できるのは 本人・家族・ケアマネ・包括支援センター職員 など。

・手続き窓口は 市区町村の介護保険担当部署。 更新申請は有効期間の 満了日の60日前から可能。


まとめ

「更新申請は、市区町村が窓口ですが、普段関わっている ケアマネジャーや地域包括支援センター が代わりに対応してくれる」仕組みになっています。

居宅サービスの限度額

以下は、参考までですが、令和6年度(2024年度)時点での居宅サービス利用における1カ月の支給限度額(区分支給限度基準額)の一覧です。これは介護保険で定められた上限額で、原則としてこの範囲内でサービスを利用すれば、自己負担は1〜3割支払います。

※介護サービスは、介護保険に加入して、介護認定を受けているからといって無料ではありません。サービスを受けるには、自己負担があります。

区分 金額目安(全国平均)
要支援1 約50,320円
要支援2 約105,310円
要介護1 約167,650円
要介護2 約197,050円
要介護3 約270,480円
要介護4 約309,380円
要介護5 約362,170円

※地域によって単位単価が異なるため、実際の金額は多少前後します。


美容室2

介護離職を防ぎましょう!

2025年改正「育児・介護休業法」について

2025年4月から施行された育児・介護休業法の改正は、介護離職の防止に向けた大きな一歩です。高齢化が進む中、家族の介護に直面する労働者が増えていますが、制度を知らずに離職を選ぶケースも少なくありません。ぜひ、辞める前に、制度を使うことを検討してください。


改正のポイント:介護離職防止に向けた3つの柱

①雇用環境整備の義務化

企業は、介護休業制度に関する研修や相談窓口の設置など、支援体制の整備が義務付けられました。これにより、制度の利用がしやすくなり、職場での理解も深まります。


②個別周知・意向確認の義務化

介護に直面した労働者に対して、企業は制度の内容を個別に説明し、利用の意向を確認する必要があります。「制度があることを知らなかった」という事態を防ぎます。


③早期情報提供の義務化

労働者が40歳になるタイミングで、企業は介護制度の情報提供を行う義務があります。事前に知ることで、いざという時に慌てず対応できます。


会社を続けられないとあきらめる前に、制度を使ってみませんか?

以上の通り、国が介護離職防止について力を入れ、会社に義務を課しています。

介護は突然始まったり、ゆっくり徐々に始まることも様々です。

仕事を辞める前に、まずは「介護休業」や「介護休暇」「テレワーク」「短時間勤務」など国が義務にしたり、努力義務にしたり、制度を用意しています。

介護休業は最大93日間、分割取得も可能です。

・介護休暇は年5日(対象家族が2人以上なら10日)まで取得可能。

・テレワークや時差出勤など、柔軟な働き方も整備されています。

これらの制度は、介護に直面した従業員が「働きながら介護する」ことを支えるためにあります。

会社にとっても、少子高齢化、人手不足の中、人材の定着は大きなメリットがあります。

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介護保険は、要介護状態になった時に、介護サービスを受けられますが、現金給付ではありません。介護度に応じた、サービスの提供です。そしてサービスを受けるには、自己負担額があります。

そのため、介護者は、会社を続けながら介護を続けていくことが重要です。介護保険で用意されているサービスやサービス開始までのスケジュールを知り、介護の体制を整える事で、介護との両立が可能になります。

介護離職は、本人にとっても企業にとっても大きな損失です。

ぜひこの機会に、制度を知り、活用し、キャリアを諦めず、働き続ける道を選ぶ方が増えることを願っています。

会社としての体制について、ご相談がありましたら、気兼ねなく下記フォームよりお問い合わせくださいませ。

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