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退職勧奨とは?
【退職勧奨とは】
退職勧奨は、会社が労働者に対して「退職を勧める」ことを指します。あくまで「勧める」だけであり、強制的に辞めさせるものではない点が重要です。
【会社の対応方法】
会社は、労働者に辞職(自主退職)を勧めたり、合意退職を提案したりします。伝え方は、口頭によるものから書面によるものまでさまざまです。働きかけが強い場合には、労働者が個別に呼び出され、上司や人事担当者と複数回の面談が行われることもあります。
【労働者が応じた場合】
労働者が退職勧奨に応じたときは、自主退職または合意退職となります。自主退職の場合は、「退職届」を提出して証拠を残しておくことが望ましいでしょう。 また、退職に際して会社から有利な条件が提示される場合には、合意内容を「退職合意書」として書面化し、署名しておくのが一般的です。
解雇とは?
【解雇とは】
解雇とは、会社(使用者)が一方的に労働契約を終了させることをいいます。労働者の同意は不要で、会社の意思だけで行われる点が特徴です。
【解雇の種類】
解雇は、その理由や性質によって大きく3つに分けられます。
普通解雇 労使の信頼関係が維持できない場合に行われる解雇。 例:能力不足、病気やケガで働けない、勤怠不良、勤務態度の問題、協調性の欠如など。 整理解雇 会社の経営状況を理由に、人員削減のために行われる解雇。 例:経営不振による人員整理。
懲戒解雇 企業秩序を著しく乱した場合に制裁として行われる最も重い処分。 例:セクハラ、横領、経歴詐称などによる解雇。
解雇が難しいと言われる所以。
法規制で、労働者は守られています
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解雇予告と解雇予告手当(労基法20条)
会社は、少なくとも30日前に労働者に解雇を予告するか、不足する日数分の平均賃金に相当する解雇予告手当を払う必要がある
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解雇制限(労基法19条)
業務上の負傷または疾病で療養期間、産前産後休業期間、+30日間は解雇が禁止される
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解雇権濫用法理(労契法16条)
客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合不当解雇とされる
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労基署への申告を理由として不利益に扱ったための解雇(労基法104条)
例外的に、労災での補償期間について打切補償が支払われた場合や、天災事変などで事業継続が不可能となった場合に所轄労働基準監督署の認定により、解雇が可能なケースもありますが、解雇は労働者の生活や健康を守るために定められたものですので、違反があれば解雇は無効とされます。
退職勧奨と解雇の違いのまとめ
正しく分類し、理解しましょう。
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Point 01
意思の主体の違い
退職勧奨は「会社が退職を勧め、最終的に労働者が自らの意思で辞める」仕組みです。
一方、解雇は「会社が一方的に労働契約を終了させる」もので、労働者の同意は不要です。
ここが最も大きな違いとなります。
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Point 02
法的リスクの違い
退職勧奨は合意による退職のため、通常は法的な争いに発展しにくいのが特徴です。
これに対し、解雇は厳しい要件があり、合理的理由や社会的相当性がなければ無効と判断され、裁判や労働審判で争われやすい制度です。
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Point 03
手続きと証拠の違い
退職勧奨では、退職届や退職合意書といった書面で「自主的な意思表示」を証拠化するのが一般的です。
一方、解雇は就業規則や労働契約に基づく解雇理由が必要で、解雇通知書などで会社の意思表示を残すことが求められます。

退職勧奨と解雇の退職までの流れの違い
【退職勧奨】
退職のタイミングや条件は、労使の合意によって柔軟に決めることができます。そのため、すぐに退職することも、一定期間在籍を続けるよう交渉することも可能です。なお、会社の同意が得られない場合でも、労働者が退職の意思を示せば、民法627条1項に基づき、原則として2週間の経過後に労働契約は終了します。
【解雇】
解雇予告と解雇予告手当について
1. 解雇予告とは 労働基準法第20条により、会社が従業員を解雇する場合には、原則として 少なくとも30日前に解雇を予告 しなければなりません。 これは労働者が次の仕事を探すための準備期間を確保する趣旨です。
2. 解雇予告手当とは 30日前に予告せずに解雇する場合(例)
会社は 「平均賃金の30日分以上」を解雇予告手当として支払う義務 があります。 これにより、解雇予告期間を設けずに即時解雇を行うことが可能になります。
3. 具体的な取扱い例 10日前に解雇を予告した場合(例)
不足する20日分の平均賃金を支払えば、解雇が有効となります。 即日解雇する場合 30日分の平均賃金を支払えば、その日の解雇が有効となります。
4. 例外(予告も手当も不要なケース)
以下に該当する場合は、労働基準監督署の認定を受ければ、予告や手当なしで即時解雇が可能です。
・天災事変などやむを得ない事由で事業継続が不可能となった場合
・労働者の責に帰すべき重大な理由がある場合(例:横領・暴行など重大な非違行為)
解雇有効性とポイント
1) 解雇が有効とされる条件
解雇には次の2つが必要です。
・客観的に合理的な理由があること
・社会通念上相当と認められること
これらを満たさない解雇は、裁判などで無効とされる可能性が高く、従業員の復職命令や未払い賃金の支払いを命じられるリスクがあります。
2.)妥当性を判断する主な4つの視点
解雇の妥当性は、次のポイントでチェックされます。
①解雇理由が具体的か
あいまいな理由ではなく、事実に基づいた具体性があるか。
②過去に適切な指導を行ってきたか
注意・指導・改善の機会を与えた記録があるか。
③就業規則との整合性があるか
解雇理由が就業規則や労働契約に沿っているか。
④手続きが妥当だったか
面談・書面通知など、解雇に至る手続きを適切に踏んでいるか。
3)注意点
これらが不十分だと、不当解雇トラブルに発展しやすいため、解雇の実施は慎重に進める必要があります。
有期雇用労働者の退職勧奨・解雇
ここまでは、主に正社員についての説明をしてまいりましたが、期間の定めがある契約の従業員の場合は、期間が満了すれば退職が見えている点で、無期雇用の従業員と取り扱いに相違がありますので、注意が必要です。
1. 有期雇用労働者の退職(労働者からの申し出)
原則として、契約期間満了まで働く義務があります。
ただし、以下の場合は途中退職が可能です。
・やむを得ない事由(例:病気、家族の介護など)により継続勤務が困難な場合(民法628条)。
・契約期間が 1年を超える場合、または 1年未満でも更新を重ねて1年以上働いている場合
→ 労働者は 2週間前の申し出 で退職可能(民法627条1項)。
2. 会社が解雇する場合
有期雇用契約では、原則として契約期間途中での解雇はできません。
・例外として「やむを得ない事由」があるときのみ認められます(労働契約法17条)。
・これを満たさずに解雇した場合、解雇無効とされるリスクが高く、契約期間満了までの賃金支払い義務を負うこともあります。
3. 退職勧奨する場合
・有期雇用労働者にも、退職勧奨(会社が退職を勧め、本人が同意する形)は可能です。
・労働者が同意すれば「合意解約」として契約終了にできます。
・ただし、繰り返し強く迫ると「事実上の強制=実質的な解雇」とみなされ、無効や損害賠償リスクにつながるため注意が必要です。
まとめ
労働者の退職:やむを得ない理由、または1年以上の契約であれば2週間前の申出で可能。
解雇:原則不可、やむを得ない事由が必要。
退職勧奨:合意があれば可能。ただし強制はNG。
退職勧奨や解雇について、『簡単に従業員を辞めさせられない…』と悩まれる会社様も多いかと思います。確かにそれは事実です。
しかし、何とかしなければ組織に影響する懸念があるため、何とかしなければならないというのも事実です。
従業員様へ、どう話を持っていったら、どんな対応をすればよいのか。
対応のミスは、大きな問題となり、大きなストレスが事業主様にも従業員様にも双方にかかってきます。
適正に対応するためには、まずは、就業規則や労働契約書(労働条件通知書)を日頃から整備しておくことが重要な備えといえます。
お悩みの際は、大きなストレスをひとりで抱え込まず、どうぞお気軽に弊所までご相談ください。
丁寧にサポートいたします。
監修者
紫峰社会保険労務士事務所
代表社会保険労務士 田中 寧子
プロフィール
【保有資格】
社会保険労務士
歯科衛生士
介護支援専門員(ケアマネ)
【経歴】
跡見学園女子大学文学部国文学科卒業
東京医科歯科大学歯学部付属歯科衛生士学校(現東京科学大学)卒業
【社労士実務経験】
① 助成金専門社労士事務所に就職。助成金だけでなく、新規開業サポートから運用、給与計算、労務監査まで、社労士業務全般を経験。
② 大手社労士法人にて、外資系企業を経験。
③ 自身の社労士事務所にて顧問契約等社労士業務、各種助成金、紹介・派遣許可申請を行い現在に至る。
【モットー】
関わった会社様の経営者様も従業員様もみんなが満足する労働環境を、みんなで一緒に築いていく。
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