お気軽にお問合せください
監修者
紫峰社会保険労務士事務所
代表社会保険労務士 田中 寧子
プロフィール
【保有資格】
社会保険労務士
歯科衛生士
介護支援専門員(ケアマネ)
【経歴】
跡見学園女子大学文学部国文学科卒業
東京医科歯科大学歯学部付属歯科衛生士学校(現東京科学大学)卒業
【社労士実務経験】
① 助成金専門社労士事務所に就職。助成金だけでなく、新規開業サポートから運用、給与計算、労務監査まで、社労士業務全般を経験。
② 大手社労士法人にて、外資系企業を経験。
③ 自身の社労士事務所にて顧問契約等社労士業務、各種助成金、紹介・派遣許可申請を行い現在に至る。
【モットー】
関わった会社様の経営者様も従業員様もみんなが満足する労働環境を、みんなで一緒に築いていく。
年次有給休暇取得、こんな運用してはいけません。
-
有給休暇の取得理由を強要:
有給休暇は請求して発生するものではなく、従業員の権利です。
-
正当な申請を拒否:
「時季変更権」の行使が認められる特別な事情がない限り、申請を拒否することは許されません。
-
有給休暇の取得を理由に不利益な扱い:
有給休暇を取得したことを理由に、精勤手当や賞与の減額、人事評価の低下などの不利益な扱いをすることは、許されません。
-
有給休暇を買い取りして、労働をさせる:
有給の趣旨は、労働者の心身疲労の回復およびワーク・ライフ・バランス確保のためなので、働かせてお金で買い取りすることは趣旨に反するため許されません。
年次有給休暇のポイント
従業員のモチベーションと企業の生産性を高めるために
-
Point 01
原則、休暇を取得させ、買い取り不可。
年次有給休暇制度は、労働者の心身疲労の回復およびワーク・ライフ・バランス確保、長時間労働是正を目的としたもの。お金で買い取りは法の趣旨とずれるため許されません。例外として、法定以上に付与した「法定外年休」や退職の際、労働者が取得できなかった有給については、企業は未取得分を金銭で買い取りすることが、実務上認められています。
-
Point 02
パート・アルバイトも有給の付与義務がある
パート社員やアルバイトには、年給の比例付与がされます。《比例付与の年給》とは、雇入れ日から6か月継続勤務し8割出勤、かつ週所定労働時間30時間未満かつ週4日以下(または年216日以下)の短時間労働者に対し、正社員との労働日数比に応じて初年度は10日未満の比例計算で年次有給休暇を付与する制度です。週1日勤務でも出る可能性があります。
-
Point 03
従業員が請求するものではなく義務である
つまり、当然有給は条件クリアで発生するものであり、発生した有給について、会社は、有給休暇を取得させる義務があり、会社が有給を付与する際は、従業員側に休ませてくださいと請求させるものではないということです。ただ業務に支障のある有給の指定(申請)は、『時季変更権』といい、会社が有給取得日の変更をお願いする権限を持っています。

正社員の有給休暇付与日数
正社員(週5日勤務または週所定労働時間が30時間以上)の法定有給休暇は、 以下のように「勤続年数」に応じて与えられます(労働基準法第39条)。
※勤続が6ヶ月、かつ「全労働日の8割以上の出勤」が要件です。
継続勤務年数(入社日起算)
| 継続勤務年数(入社日起算) | 法定付与日数(年間) |
| 6ヶ月 | 10日 |
| 1年6ヶ月(18ヶ月経過後) | 11日 |
| 2年6ヶ月 | 12日 |
| 3年6ヶ月 | 14日 |
| 4年6ヶ月 | 16日 |
| 5年6ヶ月 | 18日 |
| 6年6ヶ月以上 | 最大 20日 |
パート・アルバイト等の有給付与
正社員同様、雇入れ日から起算して 6か月継続勤務 & 全所定労働日の8割以上出勤 かつ、次のいずれかに該当する者です。
・週の所定労働時間が 30時間未満 かつ 週所定労働日数が4日以下
・週所定日数の代わりに 年間の所定労働日数が216日以下
これらを満たす労働者には、所定日数に応じた日数で年次有給休暇が比例配分されます。
| 勤続年数 | ||||||||
| 週所定労働日数 | 1年の所定労働日数 | 6カ月 | 1年6カ月 | 2年6カ月 | 3年6カ月 | 4年6カ月 | 5年6カ月 | 6年6カ月 |
| 4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
よくあるトラブル
事例1 突然の有給申請と業務への支障
「明日休ませてください。」「来週から1週間有給を使います。」
→時季変更権を行使できる可能性があります。
注意点は、原則として、従業員が指定した時季に有給休暇を与えなければなりません。しかし、例外的に「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、企業は時季変更権を行使し、別の日に変更を求めることができます。(客観的に業務に支障をきたすことが証明できる場合に限られます。)
ポイント:就業規則等に、何日前までに申請は行うことと明記しておけばトラブルがそもそものトラブルが起きにくいです。
事例2 退職時に有給をまとめて一括に消化することを要求
法的に、退職予定者であっても有給休暇の取得を請求する権利は原則として認められます。
企業側に時季変更権を行使することは、退職日をすでに定めている以上、極めて困難です(「事業の正常な運営を妨げる」状況が退職によって避けられないため)。そのため、最も現実的かつ円滑な対処法は、従業員と十分に話し合い、双方にとって納得のいくスケジュールで円満な解決を図ることです。退職の申し出があった時点で、まず有給休暇の残日数を確認し、最終出社日と有給消化期間の全体像を速やかに共有しましょう。引き継ぎ期間の確保や残務処理の必要性を伝え、有給消化期間と業務遂行のバランスをどのように取るか、具体的な相談を進めてください。必要であれば、一部の業務を他の従業員に早めに移管するなど、企業側も積極的に調整策を提示しましょう。従業員の退職後の生活設計も考慮しつつ、双方が協力して無理のない退職プロセスを構築する姿勢が重要です。有給の買い取りは最終的な解決策と考えておきましょう。
ポイント:就業規則を整備し、「退職を理由とした有給休暇の取得に関する手続きや、引き継ぎの協力について」など、具体的なフローや、従業員に協力をお願いする旨を明確に記載し、周知しておきましょう。ただし、有給取得権を不当に制限する内容であってはなりません。
事例3 有給取得理由の申告を拒否してきた
結論から言えば、労働基準法上、従業員が有給休暇を取得する際にその理由を会社に申告する義務はありません。
企業が理由を尋ねることは可能ですが、それ自体を拒否したからといって有給申請を拒否することはできません。有給休暇は、労働者が自由に利用できる権利だからです。
ただし、業務の円滑な遂行のために、企業が従業員に対し「差し支えなければ、業務調整のために簡単な理由を教えてもらえないか」と協力を求めることは可能です。これはあくまで「お願い」であり、強制ではありません。
以上トラブルの、事前回避の方法や、トラブルが起きてしまった場合、社労士にご相談ください。社労士は、労働法を熟知した専門家です。
社労士に依頼するメリット
年次有給休暇を正しく付与して管理するのは会社の重要な果たす義務の一つです。
ところで、年次有給休暇管理簿の備え付けの義務をご存知でしょうか。これは、労働基準法で定められた法定帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)に加え、2019年4月以降、年10日以上の有給休暇が付与される労働者を対象に、「年次有給休暇管理簿」も事業場に備え付けておくことが義務化されたものです。 企業が法律に準拠し、従業員の権利を適切に守るためには、専門的な知識と実務経験が不可欠です。
社労士に年次有給休暇の管理を依頼することには多くのメリットがあります。 具体的には、社労士が提供するサービスには、年次有給休暇の残日数の把握、適切な付与日の設定、休暇取得の促進策立案などが含まれます。これにより、企業は従業員が年次有給休暇を適切に取得できる環境を整えることができ、従業員満足度の向上にもつながります。結果的に、モチベーションが高く、パフォーマンスの良いチームを作り出すことが可能です。社労士は法律に精通しており、常に最新の法令に基づいた適正な管理を行うことができます。これにより、企業は法律違反のリスクを軽減することができ、安心して事業運営に専念することが可能となります。
また、社労士は従業員とのトラブルが発生した際にも的確にサポートすることができ、企業を守る重要なパートナーとしての役割を果たします。年次有給休暇についての、お客様からのご相談は、意外と多いと感じております。年次有給休暇の取扱いにおける疑問や悩みを持っている経営者にとって、社労士は頼りになる存在です。結論として、社労士に年次有給休暇の管理を依頼することは、企業の成長と従業員の福利厚生の向上を両立させるための賢明な選択であると言えます。
年次有給休暇の管理は、企業にとって非常に重要な課題です。しかし、実際に運用しようとすると、様々な悩みや疑問が浮かんでくることでしょう。有給休暇は法的にはルールは明確で分かりやすいと思うのですが、ルールと実務は全くの別物で、現場での人ひとりの有給を管理していくというのは、ルール云々ではないと様々な相談を受けて日々思います。そこで、年次有給休暇に関する相談や問い合わせを受け付ける窓口を設けています。事業主様が気軽に相談できる環境を整えており、どのような小さな疑問でもお受けします。たとえば、有給休暇の取得方法や、どのタイミングで申請すれば良いのか、未消化の休暇が多く溜まっている場合の対策、等々。これらのご質問に対し、専門の社労士が詳しく説明し、適切なアドバイスを提供します。相談を通じて、年次有給休暇の適正管理に向けた第一歩を踏み出しましょう。何かお困りのことがあれば、いつでもご連絡ください。たかが年休という時代ではありません。国が、従業員の健康やワークライフバランスに力を入れている時代です!時代に乗り遅れず、企業全体の生産性向上につなげるために、必要な情報を手に入れることが重要です。労働環境の向上に向けて、一緒に進んでいきましょう。ぜひ、紫峰社会保険労務士事務所をご活用ください!
Contact お問い合わせ
Related
関連記事
-
2026.02.28法定3帳簿とは? 有給休暇管理簿を含めた“実質4帳簿”を東京日本橋の社労士が解説 -
2026.07.24パワハラ防止の義務化! パワハラについて解説します! 【東京日本橋の社労士監修】 -
2026.07.28退職代行による退職。 会社の対応について 【東京日本橋の社労士が解説】 -
2026.05.26労働基準法の罰則について【東京 日本橋の社労士が解説します】 -
2026.06.01健康経営について【東京日本橋の社労士が解説します】 -
2026.06.09業務委託とパート雇用について【東京 日本橋の社労士が解説します】 -
2026.07.20会社でよく起こる労務トラブルについて【東京 日本橋の社労士が解説します】 -
2025.12.24労務管理を徹底させる意義について【日本橋の社労士が解説します】 -
2025.12.30年末年始休業で“実はトラブルが起きやすい”労務ポイント ―就業規則の見直しが必要な理由― -
2026.04.27歯科医院・クリニックの労務管理のポイント|元歯科医療従事者社労士が解説 -
2026.05.17スポットワークにおける労務管理について【東京 日本橋の社労士が解説】 -
2026.08.30『うちみたいな規模で、労務管理ってそんなに大事?』そんな疑問に東京日本橋の社労士が解説します。 -
2026.07.20在宅勤務・ハイブリッド勤務の労務管理について【東京 日本橋の社労士が解説します】 -
2026.09.01労務管理、社内で抱え込まなくて大丈夫!気軽に社労士に頼ろう【東京 日本橋室町の社労士】 -
2026.09.10「労務管理、ひとりで抱え込まなくて大丈夫!」 トラブル・手続きの悩みをゼロにする「貴社専属の社労士」【東京 日本橋】 -
2026.09.12会社の成長速度に、 労務管理は追いついていますか? 就業規則・雇用契約書、 昔作ったままになっていませんか?【東京 日本橋の社労士】 -
2026.05.22有期雇用労働者の 無期転換ルールについて 【東京 日本橋の社労士が解説します】 -
2026.01.111月の残業代・給与の支給ルール、 その運用で本当に大丈夫ですか? ― 決算前に中小企業が必ず確認すべき「給与・残業」3つの実務ポイント -
2026.07.15職場の労務管理のお困りごとについて、ご相談ください【東京 日本橋の社労士】 -
2026.08.18「正しい人事評価制度で労務管理を強化し、企業の成長を支える」【東京 日本橋室町の社労士が解説】