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自社の労働時間管理が適正に行われているか、まずは以下のチェックリストでご確認ください。

自社に合った制度が分かる!適正運用チェックリスト

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    繁忙期と閑散期の差が大きく、特定時期の残業代負担が増大している

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    1ヶ月単位または1年単位で、あらかじめシフトや年間カレンダーを確定できている

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    就業規則の改定や、労使協定の締結・労基署への届出を行っている

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    途中採用者・途中退職者が出た際、清算(割増賃金の再計算)を行っている

労使協定や就業規則の届出を行わずに「変形労働時間制だから」と1日8時間超の残業代を支払わない運用をしている場合、違法な残業代未払い(労働基準法違反)とみなされるリスクがあります。

1ヶ月単位の変形労働時間制

経営者・人事担当者が押さえるべき
「3つのポイント」

  • Point 01

    業務のサイクル(繁忙期の周期)に合わせて使い分ける

    変形労働時間制は、業務の繁閑に合わせて労働時間を柔軟に配分する制度です。月単位でシフトを組む店舗・サービス業・医療福祉などは「1ヶ月単位」、季節による繁忙期(年末や夏季など)がある製造業・建設業などは「1年単位」を採用するのが一般的です。

  • Point 02

    「1年単位」は労使協定の労基署届出が“必須”です

    「1ヶ月単位」は就業規則への記載のみ(10人以上は労基署届出)でも導入可能ですが、「1年単位」は原則として労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署へ届け出なければ効力が生じません。届出を怠ると通常の法定労働時間(1日8時間・週40時間)が適用され、違法残業となります。

  • Point 03

    途中でシフトを自由に「変更」することはできません

    あらかじめ特定した労働日や労働日ごとの労働時間を、会社側の都合で任意に変更することは法律上認められていません。シフト変更が多い現場では、運用ルールを厳格に定めておかないと現場の混乱やトラブルの原因になります。

「1ヶ月単位」と「1年単位」の違い徹底比較!要件と届出義務

変形労働時間制の導入にあたり、自社がどちらのタイプを採用すべきか、以下の比較表でご確認ください。

項目 1ヶ月単位の変形労働時間制 1年単位の変形労働時間制
対象期間 1ヶ月以内の期間 1ヶ月を超え1年以内の期間
労働時間の限度 対象期間を平均して週40時間以内(特例店舗等は週44時間) 1日10時間 / 1週52時間以内
労働日数の限度 特になし(平均週40時間の枠内) 原則として年間280日以内
連続勤務の限度 特になし(休日ルールの範囲内) 原則として最長6日(特定期間は週1日休みの最長12日)
導入方法 就業規則 又は 労使協定 労使協定の締結が必須
労基署への届出 常時10人以上の事業場は就業規則の届出が必要 常時10人未満であっても労使協定の届出が必須
 

【導入形式による注意点】

1ヶ月単位: 労使協定を締結して導入することも可能ですが、就業規則(またはこれに準ずるもの)に規定を設けるだけでも導入可能です。

1年単位: 就業規則への記載だけでなく、労使協定(様式第4号)を作成して所轄労働基準監督署長へ提出することが法律上の絶対要件となります。

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1ヶ月単位と1年単位の違い

変形労働時間制の失敗しない導入ステップと労務管理の注意点

変形労働時間制を正しく運用するためには、以下のステップで手続きと準備を進める必要があります。


導入の手続き手順

1.現状の労働時間・シフト実態の把握

過去の勤務実績から繁忙期・閑散期を分析し、1週あたりの平均労働時間が40時間(特例事業場は44時間)以内に収まるかシミュレーションを行います。


2.労使協定の締結(または就業規則の作成・改定)

従業員代表(過半数代表者)と協議し、対象労働者、対象期間、起算日、労働日ごとの労働時間を定めます。


3.所轄労働基準監督署への届出

・1ヶ月単位:就業規則変更届(10人以上の場合)

・1年単位:1年単位の変形労働時間制に関する協定届(様式第4号)+年間カレンダー


4.対象従業員への事前周知 カレンダーやシフト表を作成し、対象期間が始まる前までに従業員へ明確に提示します。


【運用の注意点】

途中採用者・途中退職者の「清算手続き」 対象期間の途中で採用された従業員や、途中で退職した従業員については、「実際に労働した期間」を平均して週40時間を超えて労働させた時間に対し、割増賃金(残業代)の清算を行わなければなりません(法第32条の4の2)。見落としやすいため注意が必要です。

残業代の計算はどうなる?割増賃金の考え方とよくあるトラブル


変形労働時間制を採用していても、「すべての残業代がゼロになる」わけではありません。時間外労働となる時間(割増賃金の支払いが必要な時間)は、以下の順番で計算します。


時間外労働の判定基準(優先順位)

1.「1日」の計算

あらかじめ8時間を超える時間を定めた日は「その定めた時間」を超えて労働した時間。それ以外の日は「8時間」を超えて労働した時間。


2.「1週間」の計算(1の時間を除く)

あらかじめ週40時間を超える時間を定めた週は「その定めた時間」を超えて労働した時間。それ以外の週は「週40時間」を超えて労働した時間。


3.「対象期間」の計算(1・2の時間を除く)

対象期間における法定労働時間の総枠(1年=2,085.7時間など)を超えて労働した時間。


【よくあるトラブル事例】

「シフト表を毎月直前に会社都合でコロコロ変えている」「労基署に協定届を出していないのに1日10時間働かせている」といった運用は、変形労働時間制自体が無効となり、過去に遡って未払い残業代を一括請求される原因になります。

導入手続きと必要書類

誰でも適用できる?育児・介護を行う社員や年少者・妊産婦への配慮と対象者の制限

変形労働時間制を全社に導入しようとする際、特に注意しなければならないのが「特定の事情を抱える従業員への配慮と適用制限」です。


1. 育児・介護を行う従業員への配慮義務

育児や介護を行う者、職業訓練を受けている者など、特別の配慮を要する従業員については、育児・介護等に必要な時間を確保できるよう配慮しなければなりません。繁忙期だからといって無理な長時間勤務(1日10時間など)を強制することは法的に問題となる場合があります。


2. 変形労働時間制を採用できない(制限される)労働者

・18歳未満の年少者

原則として変形労働時間制を適用できません(※満15歳以上18歳未満に限り、週48時間・1日8時間を超えない範囲で一部緩和あり)。

・妊産婦(妊娠中および産後1年以内の女性)

本人が請求した場合は、変形労働時間制であっても1日8時間・週40時間を超えて労働させることはできません。


労使協定や就業規則を作成する際は、「適用除外となる従業員の範囲」をあらかじめ明確に定めておくことが実務上きわめて重要です。

変形労働時間制の導入・見直しは、紫峰社会保険労務士事務所へご相談ください

「変形労働時間制を導入したいが、年間カレンダーや労使協定の作り方がわからない」

「現在運用しているシフトや就業規則が、法的に正しい状態になっているか不安だ」


変形労働時間制は、正しく運用すれば残業コストの削減や働き方改革に非常に効果的な制度ですが、一歩運用を誤ると多額の未払い残業代リスクを抱え込む諸刃の剣でもあります。


紫峰社会保険労務士事務所では、貴社の業務実態に合わせた最適な制度設計から、労使協定・就業規則の作成、所轄労基署への届出代行、現場が迷わないシフト運用の整備まで、ワンストップで手厚くサポートいたします。


労働基準監督署の調査対策や残業リスクの削減も含め、まずはお気軽にご相談ください。

監修者

紫峰社会保険労務士事務所

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代表社会保険労務士 田中 寧子


東京都社労士会中央支部所属

プロフィール

【保有資格】

社会保険労務士

歯科衛生士

介護支援専門員(ケアマネ)


【経歴】

跡見学園女子大学文学部国文学科卒業

東京医科歯科大学歯学部付属歯科衛生士学校(現東京科学大学)卒業


【社労士実務経験】

① 助成金専門社労士事務所に就職。助成金だけでなく、新規開業サポートから運用、給与計算、労務監査まで、社労士業務全般を経験。

② 大手社労士法人にて、外資系企業を経験。

③ 自身の社労士事務所にて顧問契約等社労士業務、各種助成金、紹介・派遣許可申請を行い現在に至る。


【モットー】

関わった会社様の経営者様も従業員様もみんなが満足する労働環境を、みんなで一緒に築いていく。

※本記事の解説および要件につきましては、厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署発行『1年単位の変形労働時間制導入の手引き』および『1か月単位の変形労働時間制(労基法32条の2)』の公的資料に基づき作成しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/henkei.html

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