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はじめに

こんにちは。東京の社会保険労務士の田中 寧子(たなかやすこ)です。

2020年6月から大企業、2022年4月からは中小企業も含めたすべての事業主に対して、職場におけるパワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務化されましたが、2025年8月現在も継続して企業規模や業種を問わず義務化されております。

3年の月日が経ち、皆様の会社では、その後、どのような状況でしょうか?強い意識のまま維持していますか?それとも若干意識が薄れてきましたか?

弊所の顧問先企業様の現状は、元々穏やかな社長が率いる会社ということもあるのかも知れませんが、より従業員とのコミュニケーションが優しい言葉で交わされ、社内のコミュニケーションが活性化して、従業員定着率向上、生産性向上の傾向にあります。国の義務化の影響力の強さが伺えます。

しかし、度々ニュースで、実際、ハラスメントは、見えないところに本人たちだけが分かる形で根強く存在しているのも報道されています。

このページでは、パワハラ根絶のためにパワハラの基本から解説していきます。

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パワハラを防ぐための企業側の責任

職場におけるパワハラ3要素

パワハラを撲滅し、職場の未来を築こう!

  • Point 01

    優位性

    職務上の地位や専門知識、経験、人間関係などで相手より有利な立場を利用することです。上司から部下だけでなく、同僚間や部下から上司へも成立する場合があります。相手が逆らいにくい状況を利用する点が特徴です。

  • Point 02

    業務の適正範囲を超えた苦痛を与える

    業務遂行に必要な指導や注意の範囲を逸脱し、人格否定や過度な叱責、無意味な業務命令などで心身に苦痛を与える行為です。目的が業務改善でなく、相手を委縮・排除する点が特徴です。

  • Point 03

    就業環境を悪化させる行為

    暴言・侮辱・隔離・無視などにより、相手が職場で能力を発揮しにくくし、精神的負担や不安を与えることです。結果として業務への意欲低下や退職を余儀なくされるなど、働く環境を著しく害する行為を指します。

やってはいけないハラスメント分類

パワハラの6類型

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    1)身体的侵害

    暴行・傷害など

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    2)精神的侵害

    脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言など

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    3)人間関係からの切り離し

    隔離・仲間外し・無視など

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    4)過大な要求

    業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制など

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    5)過小な要求

    業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を  

    与えないことなど

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    6)個の侵害

    私的なことに過度に立ち入ることなど

パワハラには、6類型ありますが、パワハラこの6類型の中でもパワハラにあたらない場合もあります。正しく知ってパワハラ撲滅しましょう。

パワハラに該当するか?該当しないか?具体例

1)身体的侵害

パワハラに該当する例

ミスをした部下を殴る 部下の椅子を蹴とばす相手に物を投げる


パワハラに該当しない例

誤ってぶつかり、相手が傷を負った手が滑って物をぶつけてしまった同僚同士でけんかをした


2)精神的侵害

パワハラに該当する例

ほかの従業員がいる中で人格否定する日常的に大声で怒鳴りつけるクビや解雇をにおわせる発言をする


パワハラに該当しない例

別の部屋に呼び、理由を交えながら論理的に指導する何度注意しても問題行動が改善されないため、強めの口調で注意する重大な問題行動を起こした従業員に、一定の度合いで強めに注意する


3)人間関係からの切り離し

パワハラに該当する例

特定の社員だけ故意にミーティングに呼ばない挨拶されても無視をする気に入らないという理由でプロジェクトから外す


パワハラに該当しない例

研修のために別室で課題を与える懲戒処分を受けた従業員に対し、復帰にあたっての研修を受けさせる感染症対策のため各従業員のデスクを離す


4)過大な要求

パワハラに該当する例

不要な深夜残業を強いる適切な指導がなく業務を丸投げする自分の家の掃除をさせる


パワハラに該当しない例

キャリアアップや育成のためにレベルの高い課題・業務を課す繁忙期など、時期的な理由で一時的に業務量を増やす無理のない範囲で未経験の仕事を割り振る


5)過小な要求

パワハラに該当する例

特定の社員にだけ理由なく仕事を与えない専門職の従業員に誰でもできる仕事ばかりを課す能力が低いからと掃除のみをさせる


パワハラに該当しない例

労働時間を踏まえて業務を調整する労働者の能力に応じて業務内容や業務量を一時的に減らす体調不良の従業員に対し業務量を減らす


6)個の侵害

パワハラに該当する例

飲み会や行事への参加を強制する退勤後の予定を提出させたり、無理やり聞き出したりする有給休暇を取得する理由を細かく聞く


パワハラに該当しない例

キャリア計画のために業務上必要な内容をヒアリングする公的保険の加入手続きに必要な情報を聞く入社にあたって健康上問題ないかを聞く

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労働条件改善と職場環境の重要性

義務1:事業主の方針等の明確化

及びその周知・啓発

事業主は、職場におけるパワーハラスメントに関する方針の明確化、労働者に 対するその方針の周知・啓発として、次の措置を講じなければなりません。

なお、周知・啓発をするに当たっては、職場におけるパワーハラスメントの防止の効果を高めるため、その発生の原因や背景について労働者の理解を深めるこ とが重要です。


その際、職場におけるパワーハラスメントの発生の原因や背景 には、労働者同士のコミュニケーションの希薄化などの職場環境の問題もあると 考えられます。そのため、これらを幅広く解消していくことが職場におけるパワー ハラスメントの防止の効果を高める上で重要であることに留意することが必要です。


イ 職場におけるパワーハラスメントの内容及び職場におけるパワーハラスメン トを行ってはならない旨の方針を明確化し、管理監督者を含む労働者に周知・ 啓発すること。

★事業主の方針等を明確化し、労働者に周知・啓発していると認められる例

① 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において、職場に おけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を規定し、当該規定 と併せて、職場におけるパワーハラスメントの内容及びその発生の原因や背 景を労働者に周知・啓発すること。


② 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等 に職場におけるパワーハラスメントの内容及びその発生の原因や背景並びに 職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を記載し、配 布等すること。


③ 職場におけるパワーハラスメントの内容及びその発生の原因や背景並びに 職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針を労働者に対 して周知・啓発するための研修、講習等を実施すること。


ロ 職場におけるパワーハラスメントに係る言動を行った者については、厳正に 対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等 を定めた文書に規定し、管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること。

★対処方針を定め、労働者に周知・啓発していると認められる例

① 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において、職場に おけるパワーハラスメントに係る言動を行った者に対する懲戒規定を定め、 その内容を労働者に周知・啓発すること。

② 職場におけるパワーハラスメントに係る言動を行った者は、現行の就業規 則その他の職場における服務規律等を定めた文書において定められている懲 戒規定の適用の対象となる旨を明確化し、これを労働者に周知・啓発するこ と。

義務2:相談(苦情を含む。以下同じ。)に応じ、

適切に対応するために必要な体制の整 備

事業主は、労働者からの相談に対し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対 応するために必要な体制の整備として、次の措置を講じなければなりません。


イ 相談への対応のための窓口をあらかじめ定め、 労働者に周知すること。

★相談窓口をあらかじめ定めていると認められる例

① 相談に対応する担当者をあらかじめ定めること。

② 相談に対応するための制度を設けること。

③ 外部の機関に相談への対応を委託すること。


ロ イの相談窓口の担当者が、相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応で きるようにすること。また、相談窓口においては、被害を受けた労働者が萎縮 するなどして相談を躊躇する例もあること等も踏まえ、相談者の心身の状況や 当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも配慮しながら、職場におけ るパワーハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれ がある場合や、職場におけるパワーハラスメントに該当するか否か微妙な場合 であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。

例えば、 放置すれば就業環境を害するおそれがある場合や、労働者同士のコミュニケー ションの希薄化などの職場環境の問題が原因や背景となってパワーハラスメン トが生じるおそれがある場合等が考えられます。


★相談窓口の担当者が適切に対応することができるようにしていると認められ る例)

① 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内容や状況に応じて、相談窓 口の担当者と人事部門とが連携を図ることができる仕組みとすること。

② 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらかじめ作成した留意点などを 記載したマニュアルに基づき対応すること。

③ 相談窓口の担当者に対し、相談を受けた場合の対応についての研修を行う こと。

義務3:職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応

事業主は、職場におけるパワーハラスメントに係る相談の申出があった場合に おいて、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処として、 次の措置を講じなければなりません。


イ 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認すること。

★事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例

① 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会等が、相談者及び行為者の 双方から事実関係を確認すること。その際、相談者の心身の状況や当該言動 が行われた際の受け止めなどその認識にも適切に配慮すること。 また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事 実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を 聴取する等の措置を講ずること。

② 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合などに おいて、調停の申請を行うことその他中立な第三者機 関に紛争処理を委ねること。


ロ イにより、職場におけるパワーハラスメントが生じた事実が確認できた場合 においては、速やかに被害を受けた労働者(以下「被害者」という。)に対する 配慮のための措置を適正に行うこと。

★措置を適正に行っていると認められる例

① 事案の内容や状況に応じ、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援助、 被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪、被害者の労働条 件上の不利益の回復、管理監督者又は事業場内産業保健スタッフ等による被 害者のメンタルヘルス不調への相談対応等の措置を講ずること。

② 調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従っ た措置を被害者に対して講ずること。


ハ イにより、職場におけるパワーハラスメントが生じた事実が確認できた場合 においては、行為者に対する措置を適正に行うこと。

★措置を適正に行っていると認められる例

① 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書における職場にお けるパワーハラスメントに関する規定等に基づき、行為者に対して必要な懲 戒その他の措置を講ずること。あわせて、事案の内容や状況に応じ、被害者 と行為者の間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための 配置転換、行為者の謝罪等の措置を講ずること。

② 調停その他中立な第三者機関の紛争解決案に従っ た措置を行為者に対して講ずること。


ニ 改めて職場におけるパワーハラスメントに関する方針を周知・啓発する等の 再発防止に向けた措置を講ずること。 なお、職場におけるパワーハラスメントが生じた事実が確認できなかった場 合においても、同様の措置を講ずること。

★再発防止に向けた措置を講じていると認められる例

① 職場におけるパワーハラスメントを行ってはならない旨の方針及び職場に おけるパワーハラスメントに係る言動を行った者について厳正に対処する旨 の方針を、社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のため の資料等に改めて掲載し、配布等すること。

② 労働者に対して職場におけるパワーハラスメントに関する意識を啓発する ための研修、講習等を改めて実施すること。

成功事例に学ぶパワハラ防止策

パワハラ防止において、他社の成功事例から学ぶことは非常に重要です。特に、他の企業が講じた効果的な対策を参考にすることで、自社に適した防止策を見つけやすくなります。たとえば、


ある企業では、定期的にパワハラに関する社内研修を実施し、意識の向上を図っています。この研修では、担当職員が具体的な事例を用いながら、課題の認識を共有し、メンバー全員がパワハラに対する理解を深めることができています。

また、別の企業では、パワハラの相談窓口を外部に設置し(弊所で受けている例)、社員が安心して相談できる環境を整えています。この窓口は、社員が恐れずにサポートを求められる体制が特徴です。いつでも社労士に通報できる制度のため、パワハラが起こりにくいのも特徴です。

また事例の一つとして、社内報を定期的に発行して(入社があった時なども含む)、適宜本人たちに気づかせる、ブレーキをかけるようにしています。必ず、相談窓口を明記して発行しています。全社員に周知徹底されているので、とても効率よく社員のパワハラに対する教育となっています。

さらに、職場環境の改善に取り組む企業も増えており、たとえば福利厚生や休暇制度の充実を図ることで、ストレスを軽減し、職場の士気を向上させています。労働条件が改善されることにより、社員は安心して業務に集中できるようになります。このように、パワハラ防止策だけでなく、労働環境そのものを見直すことが、結果的にパワハラの防止につながるのです。従業員の意見や反響を積極的に取り入れ、フィードバックを行う流れが企業文化の中に根付いてくると、より効果的な職場環境が築かれるでしょう。

以上の事例を参考にすることで、自社に合ったパワハラ防止策を見出し、良好な職場環境を構築するヒントを得ることができます。実際の経験からの学びは、他社の取り組みを通じて、貴重な教訓となります。

気になる際は、お気軽にぜひご相談ください!

  • お問い合わせで一歩を踏み出そう!
  • お問い合わせで一歩を踏み出そう!

パワハラ対策を考える企業の皆様へお伝えしたいのは、社労士との相談をはじめサポートを活用することの重要性です。

パワハラは単なる職場の問題ではなく、企業全体の健全性にも影響を及ぼす深刻な事案です。そのため、企業が持つべき視点は、単に法律を遵守するだけでなく、従業員が安心して働ける環境をつくることに他なりません。専門家の視点や経験を取り入れることで、より具体的で実用的な対応策を講じることが可能になります。まずは、自社の状況を客観的に見つめ直し、必要なサポートを果たすための第一歩を踏み出すことが大切です。これにより、企業は退職者の減少や生産性の向上といった形で、その成果を実感できるでしょう。

次に、職場のパワハラ防止対策を進めるための最善策を模索しましょう。単に外部のサポートを受けるだけでなく、自社内におけるコミュニケーションの透明性を高めることも重要です。情報共有を促進し、従業員が声を上げやすい環境を整えることで、早期に問題を発見し、対処できる体制が整います。また、転職予防や定着率向上を狙うには、パワハラ対策を経営戦略に組み込み、働きやすい職場作りを実現する必要があります。成功事例を参考に、自社に合った対策を検討し、実施することが労働環境の改善や企業のスムーズな運営につながります。

会社の労働環境が気になりましたら、まずはご連絡をお待ちしています。懸念や相談を専門家にすることで、新たな視点を得られます。具体的なアプローチ方法や施策に関するアドバイスを受けることができ、企業の成長や従業員の幸福度を高めるきっかけにもなるはずです。

ぜひ、気軽にご相談くださいませ。

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義務4:義務1~義務3

までの措置と併せて講ずべき措置

イ 職場におけるパワーハラスメントに係る相談者・行為者等の情報は当該相談 者・行為者等のプライバシーに属するものであることから、相談への対応又は 当該パワーハラスメントに係る事後の対応に当たっては、相談者・行為者等の プライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者 に対して周知すること。なお、相談者・行為者等のプライバシーには、性的指 向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報も含まれるものであること。

★相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じている と認められる例

① 相談者・行為者等のプライバシーの保護のために必要な事項をあらかじめ マニュアルに定め、相談窓口の担当者が相談を受けた際には、当該マニュア ルに基づき対応するものとすること。

② 相談者・行為者等のプライバシーの保護のために、相談窓口の担当者に必 要な研修を行うこと。

③ 相談窓口においては相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必 要な措置を講じていることを、社内報、パンフレット、社内ホームページ等 広報又は啓発のための資料等に掲載し、配布等すること。


ロ 労働者が職場におけるパワーハラスメントに関し相談をしたこと若し くは事実関係の確認等の事業主の雇用管理上講ずべき措置に協力したこと、都 道府県労働局に対して相談、紛争解決の援助の求め若しくは調停の申請を行っ たこと又は調停の出頭の求めに応じたこと(以下「パワーハラスメントの相談 等」という。)を理由として、解雇その他不利益な取扱いをされない旨を定め、 労働者に周知・啓発すること。

★不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者にその周知・啓発することにつ いて措置を講じていると認められる例

① 就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書において、パワー ハラスメントの相談等を理由として、労働者が解雇等の不利益な取扱いをさ れない旨を規定し、労働者に周知・啓発をすること。

② 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等 に、パワーハラスメントの相談等を理由として、労働者が解雇等の不利益な 取扱いをされない旨を記載し、労働者に配布等すること。

労働者の権利とその保護

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